(第1期)選考委員

安藤 邦廣

里山建築研究所主宰

筑波大学名誉教授。工学博士。建築家。一般社団法人日本茅葺き文化協会代表理事、一般社団法人日本板倉建築協会代表理事を務める。日本および東アジアの伝統的住宅の研究、特に茅葺き民家や小屋と倉に関する研究を行い、茅葺き民家の活用の技術とデザイン、茅場の調査と再生にも取り組んでいる。著書に『日本茅葺き紀行』『茅葺きの民俗学』『小屋と倉』『民家造』『住まいの伝統技術』他がある。

太田 長八

静岡県東伊豆町長
全国草原の里市町村連絡協議会会長

1995(平成7)年5月に東伊豆町議会議員選挙に初当選(町議会議員歴:10年10ヶ月)。その間、副議長(2年)、議長(2年)を歴任。その後、2006(平成18)年3月に東伊豆町長選挙に初当選し、現在(4期目)に至る。2019(令和元)年6月から2年間、静岡県町村会会長と全国町村会副会長(会長代行)を勤めた。2019(令和元)年度からは、次の草原サミット・シンポジウム開催地の首長として、全国草原の里市町村連絡協議会会長に就任。

高橋 佳孝

一般社団法人 全国草原再生ネットワーク代表理事

1954(昭和29)年福岡県生まれ。高校時代に修学旅行ではじめて訪れた島根県三瓶山の美しさに魅せられ、草原の研究を仕事に選んだ。専門は草地生態学だが、1979(昭和54)年に農林水産省に入省以来、自然環境、地域社会など幅広い分野に関心を持ち、草原にまつわる問題を農畜産業や文化景観の視点から幅広く調査研究している。全国草原サミットの開催にも尽力し、2007(平成19)年には「全国草原再生ネットワーク」を立ち上げた。また、自然推進法に基づいて2005(平成17)年に発足した「阿蘇草原再生協議会」会長として、人と牛が共生する阿蘇草原の維持・再生に取組んでいる。

長沢 裕

タレント
日本環境教育フォーラム理事

 緑豊かな福島県伊達市で生まれ育つ。幼い頃から家の前の山で遊ぶのが大好きで、多くの学びと癒しを自然から得ていた。大学生の頃には三重県美杉町の倶留尊山のふもとにて農業を経験。近くには曽爾高原もあり、朝日や夕日とともに、緑を駆け抜ける風の気持ちよさを全身で感じていた。現在はレポーターとして、自然とのつながりを感じる瞬間を多くの人と共有すべく、旅番組や情報番組、イベントなどに出演している。

町田 怜子

東京農業大学地域創成科学科准教授

 造園学博士。専門は風景計画、観光、環境教育。2001(平成13)年の学生時代から阿蘇の草原景観保全研究に取り組み、2003(平成15)年~2004(平成16)年までスイスチューリッヒ連邦工科大学(ETH)に留学しアルプスの草原やスイスの国立公園について学ぶ。2004(平成16)年から財団法人自然環境研究センターで自然再生推進事業や生物多様性国家戦略の業務に携わる。2009(平成21)年より東京農業大学に勤務し、草原と共生する暮らしをテーマに草原学習を阿蘇の各地小中学校で実践している。2012(平成24)年の九州北部豪雨、2016(平成28)年の熊本地震では、地域復興を目指し草原学習と防災教育を統合した環境教育プログラムに取り組んだ。2017(平成29)年より東京農業大学の新学科・地域創成科学科の所属となり現在に至る。阿蘇草原再生協議会学習小委員会に所属し、未来の担い手の子どもたちのために、小学校、保護者、NPO、行政と連携した草原学習の教育活動方策について研究している。

湯本 貴和

選考委員長
京都大学霊長類研究所教授/所長

京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了(理学博士)。神戸大学教養部助手、京都大学生態学研究センター助教授、総合地球環境学研究所教授を経て、現職。専門分野は生態学。とくに植物の送粉や種子散布をおこなう動物との関係について研究に取り組む。そのうち、草原に多く生息する送粉者のマルハナバチ類について、九州や本州の各草原をはじめ、モンゴルまで調査を実施。。また、9年間在籍した総合地球環境学研究所では、日本列島の半自然草原や里山を含むさまざまな自然の成り立ちを理系文系あわせて約130名で共同研究を行い、その成果は『シリーズ日本列島の三万五千年―人と自然の環境史(全6巻)』(文一総合出版)にまとめ、そのうち草原の歴史は第2巻『野と原の環境史』で発表している。

養老 孟司

東京大学名誉教授

1937(昭和12)年、鎌倉生まれ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。心の問題や社会現象を、脳科学や解剖学などの知識を交えながら解説し、多くの読者を得た。1989(平成元)年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。新潮新書『バカの壁』は大ヒットし2003(平成15)年のベストセラー第1位、また新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。大の虫好きとして知られ、昆虫採集・標本作成を続けている。『唯脳論』『身体の文学史』『手入れという思想』『遺言。』『半分生きて、半分死んでいる』など著書多数。